ワーカープレイスメントとは?
「ワーカープレイスメント」、通称「ワカプレ」。いい響きですよね。
「ワカプレ」は、ボードゲームの代表的なメカニズム(仕組み)の一つで、プレイヤー間で共有のアクションボードがあり、そこにあるアクションマスに順番にコマ(ワーカー)を置いていくことでゲームが進んでいくシステムです。
たいていの場合、同じマスに複数のワーカーを置くことができず、先に置かれてしまった場合は、他のアクションを選択しなければいけません。
どのアクションマスにワーカーを置くか、そこに置かれてしまった場合はどうするか?自分のやりたいアクションだけでなく、相手のアクションを阻止する駆け引きもあり、戦略やプランニングを楽しめます。
今回は定番のワカプレからおすすめの3つのボードゲームをご紹介します!
おすすめ1:ワカプレの定番「ワイナリーの四季」
プレイ時間 | 45~90分 |
プレイ人数 | 1〜6人 |
対象年齢 | 13歳以上 |
希望小売価格 | ¥7,920円(税込) |
「ワイナリーの四季」は、ワイン作りを中心としたワイナリー経営をテーマとしたワーカープレイスメントゲームです。
プレイヤーはワイナリーのオーナーになり、ブドウを育ててワインを作り、販売することなどを通じて勝利点を獲得し、最終的に最もポイントが多いプレイヤーが勝利します。
1ラウンドが1年になっていて、春フェイズ、夏フェイズ、秋フェイズ、冬フェイズ、年末フェイズの順でゲームが進んでいきます。夏フェイズ、冬フェイズに、メインボードのアクションマスにワーカーを配置することでアクションを行います。
夏は、ブドウの木を獲得したり、それを畑に植えたり、ブドウ棚や貯水等などの設備を作ったりすることができます。価値の高いワインを貯蔵するためには、ワインセラーを拡張しないといけなかったり、ブドウの品種によっては植えるために必要な設備が指定されていたりと、先を読んでアクションを選択していく必要があります。
冬のアクションマスは、ブドウの収穫やワインの醸造、注文の受注、出荷など勝利点に直結するアクションの他、労働者を訓練し新しいワーカーを増やすこともできます。
ワインを出荷するためには、受注アクションで獲得した注文カードに書かれている条件(ワインの種類と価値)を満たす必要があり、ワインを醸造するだけでは勝利点につながりません。ここでも先を読みながらアクションの順番を考えたり、場合によっては翌年(次のラウンド)を見据えて、動いていく必要があるのです。
ブドウの木を手に入れて、植樹し、ワインを醸造し、熟成し、出荷する。ワイナリーの経営を疑似体験することができます。ワーカープレイスメントの醍醐味である、アクションの取り合いはありますが、全体的に牧歌的な雰囲気でのほほんと遊べるのも魅力です。
夏と冬の訪問者アクションで使用できる季節労働者の能力がかなり強く、「カードゲー」と揶揄されることもあります。カードの引き運に結果が左右されるのが嫌な人には向かないかもしれません。
また、「四季」といっても、実際にワカプレをするのは夏と冬のみなので、基本ゲームが気に入った人は「トスカーナ拡張」を強くおすすめします!
おすすめ2:ワカプレ×デッキ構築「アルナックの失われし遺跡」
プレイ時間 | 約人数×30分 |
プレイ人数 | 1-4人 |
対象年齢 | 12歳以上 |
希望小売価格 | 7,700円円(税込) |
「アルナック 失われし遺跡」は、島にある失われた遺跡を探検するというテーマのボードゲームです。プレイヤーは島を探検する考古学者となって、遺跡の秘密を解き明かすことで勝利を目指します。
「アルナック」は、ワーカープレイスメントにデッキ構築を組み合わせたゲームです。プレイヤーは自分のデッキにカードを追加しながら遺跡を探索します。遺跡には様々な場所があり、それぞれの場所を探索することで資源を獲得していきます。一つの場所に入れるのは1人だけなので、ここがワカプレの先取り要素になっています。
新しい場所を探索すると、守護者と呼ばれるモンスターに遭遇します。特定のリソースを払うことで守護者を撃退すると、勝利点とボーナスを得ることができます。未知の場所を開拓していくというゲームのテーマとシステムが絶妙にマッチし、本当に古代遺跡を冒険しているようなワクワク感を味わえるのが、このゲームの一番の魅力です。
獲得した資源をつかって研究トラックを進めていくことも重要です。さまざまなボーナスや勝利点につながります。最終的に勝利点が多いプレイヤーが勝利です。
このゲームでは、手持ちのワーカーが2つだけで増えることもありませんが、カード効果や調査トラックのボーナスを組み合わせると、1ラウンド中にできるアクションが格段に増えます。コンボが決まったときは爽快です。
基本セットでは、研究トラックで獲得できる勝利点の比重が高く、研究トラックを進めないと勝ちにくい構造になっているのが欠点。調査隊長(拡張)をいれるとリバランスされるため、基本ゲームが気に入ったら拡張セットはマストバイです!
おすすめ3:ワカプレ×バックドロー「オルレアン」
プレイ時間 | 90分 |
プレイ人数 | 2人~4人 |
対象年齢 | 12歳から |
希望小売価格 | 6,600円(税込) |
ゲームの舞台は、中世のフランスの町、オルレアン。プレイヤーは商人となって、様々な随行者を雇い町の発展を目指します。18ラウンドが終了した時点で、集めた商品や金銭、各地に築いた拠点の数などから計算される勝利点がもっとも高い人が勝ちです。
随行者として雇えるのは、「修道士」「農夫」「職人」「交易商」「船長」「騎士」「学者」という7種類のワーカーです。これらのワーカーがそれぞれコマになっており、アクションを実行すると対応するコマを一つ獲得できます。獲得したコマをプレイヤーごとに渡される巾着袋(バック)にいれていきます。
各ラウンドでは、各プレイヤーのバックから一定数のワーカーを引くのですが、できるアクションはこのワーカーの組み合わせによって制限されます。つまり、自分が行いたいアクションをやりやすくするためには、バックの中身を戦略的に構築していく必要があり、これがこのゲームの根幹である「バックビルディング」というシステムです。
このゲームでは、アクションスペースは個人ボード上にあるため、他のプレイヤーとアクションスペースを取り合うことはないのですが、ゲームを通じて獲得できる随行者の数に上限があるため、これがワーカープレイスメントゲームの先取りの要素になっています。
アクションには、町を移動したり、新たなワーカーを増やしたり、自分だけができるアクションスペースを手に入れたり、リソースを得られたりなどなど様々。繰り返しになりますが、自分が打てるアクションは、バックから引いたワーカーの種類次第なので、必ずしもやりたいことができない歯がゆさが楽しいです。
任意のワーカーをバックから取り除くことができる公共事業アクションをうまく使って、自分のバッグの中のワーカーの数と種類を管理していくことが重要です。ゲーム終盤、バックの中の構成と戦略がバシッと決まり、好きなアクションを打ち続けられる状態になったときは脳汁が溢れます。
唯一の欠点はゲームの準備が大変なこと。各ワーカーコマを決められた数ボードに配置したり、細かい商品タイルをランダムにマップに配置したりと、慣れても20分〜30分くらいかかります。全自動オルレアン卓、誰か開発してほしい、、(無理)
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は純粋なワーカープレイスメントゲームだけでなく、別のシステムと組み合わされたものを選んでみました。ワーカープレイスメントゲームの代表作といわれる「アグリコラ」はじめ、他にもさまざまなゲームがあるので、ゲームシステムが気に入った人は、数珠つなぎに遊んでいくのもよいですよね。
あー、書いてたらワカプレしたくなってきたー!では。