拡大再生産とは?
お金持ちになりてぇなあ。人間誰しも、そんな気分になるときありますよね。お金に働かせ、お金がお金を増やすみたいな。
そんな資本主義の雰囲気漂う「拡大再生産」という言葉、実はボードゲームのシステムとしても使われており、「手に入れた資源を使って、更に資源を得られる仕組みを作り、資産を増やしていくゲーム」のことを指します。
ゲームスタート時にお金や資源が少なくて買えなかった物を、ゲームが進むにつれて購入できるようなったり、できること自体が増えていくなど、成長や加速感を感じることができるのが魅力のシステムです。
今回は「拡大再生産」のシステムを使ったおすすめボードゲームを3つ紹介します!
おすすめ1:宝石の煌き

プレイ時間 | 約30分 |
プレイ人数 | 2-4人 |
対象年齢 | 10歳以上 |
希望小売価格 | 5,500円(税込) |
時代はルネサンス期。プレイヤーは一人の宝石商として資産を鉱山に投資し、優秀な職人を雇い、原石を美しい宝石へと磨き上げていきます。商業帝国を作り上げ、栄光と名声の獲得を目指します。
ゲームのルールはとてもシンプルです。5種類の宝石と黄金を獲得し、それらと発展カードを引き換えていきます。カードには勝利点が記載されており、いずれかのプレイヤーの合計勝利点が15点を超えたら、そのラウンド終了時点で最も多くの勝利点を獲得していた人が勝利です。
と、これだけでは拡大再生産の要素がありませんが、このゲームのポイントは発展カードにあります。発展カードには勝利点だけでなく、次の手番から使える割引ボーナスがついているのです。発展カードが増えていくにつれて、次のカードを手に入れやすくなっていきます。

発展カードはレベル1~レベル3まであり、レベルが高いほど購入が難しい分、勝利点が高いという構造になっています。引き換え可能なカードはゲーム開始時から一定数オープンになっているため、将来的にどのカードを購入するか計画を立てながらプレイしていきます。
また、公開されているカードを予約することができるのですが、この仕組みが絶妙な駆け引きを生んでいます。予約すると、そのカードを購入できるのは自分だけになるのですが、予約できるカードは1人3枚までなのです。

自分が欲しいカードを予約するのか、相手が欲しいであろうカードを予約することで妨害するのか、この読み合いと駆け引きが、シンプルなルールに奥深さを与えています。
プレイ人数は2人~4人となっていますが、いずれの人数でも変わりなく楽しめることもこのゲームの魅力です。2人だとバチバチな読み合いを楽しめますし、3人、4人で遊ぶときは、数に限りがある宝石を誰がいつ市場に戻すのかの駆け引きが熱いです。
おすすめ2:プロジェクトL

プレイ時間 | 約30分 |
プレイ人数 | 1-4人 |
対象年齢 | 8歳以上 |
希望小売価格 | 4,400円(税込) |
テーマや時代設定などはなく、「拡大再生産の仕組みそのもの」を原液で味わえるようなシンプルなパズルゲームです。
まず、真っ黒の背景「L」の文字がどどんっと描かれた箱絵が目を引きます。コンポーネントも非常にスタイリッシュ。ゲームルールも含めて、すべてにおいて一切の無駄をそぎ落としたようなデザインで、他にあまり類を見ないボードゲームです。

ゲームの根幹はテトリスのブロックのような形をしたピースを使ってパズルを完成させていく、というものです。ゲームスタート時、プレイヤーの手元にあるのは、非常に小さな2つのピースのみ。パズルを完成させることで勝利点と新しいピースを獲得できます。
手元のピースを増やし、より難しいパズルを完成させ、それによってより多くのポイントとさらに大きなピースを手に入れていく。これぞまさに「拡大再生産」という感じです。

自分の手番では、場からパズルを獲得したり、手元のピースをパズルに置くなど、所定のアクションから3つ選んで行うことができるのですが、その中に1手番に1度だけ使える「マスターアクション」というものがあります。
「マスターアクション」は、自分の手元にある複数のパズルに1つずつピースを置ける、というアクションです。手元におけるパズルは4つまでなのですが、このマスターアクションを上手くつかうことで、一気に4つのパズルを完成させるということも可能になります。効率と計画性が求めら、ハマったときの爽快感は格別です。

ルール自体は非常にシンプルなので、小学生くらいから楽しめると思います。また30分くらいで1ゲーム終わるので、「もう1回!」と言いたくなるような軽さも魅力です。
おすすめ3:イッツアワンダフルワールド

プレイ時間 | 45分 |
プレイ人数 | 1人~5人 |
対象年齢 | 14歳以上 |
希望小売価格 | 6,050円(税込) |
ゲームの舞台は近未来の地球。プレイヤーは帝国の主となって、さまざまな建築物を建てることで発展を目指していきます。建築物を完成させることで勝利点を得ることができ、4ラウンド終了時点でもっとも多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝利です。

アートワークや建築物の名称には、まさに近未来的な独特な世界観があり、好みが分かれるかもしれませんが、私はかなり気に入っています。カードを眺めているだけでもワクワクしてしまいます。
ゲームのシステムは、カードドラフトと拡大再生産。カードには、「建築コスト」「勝利点」「資源としての価値」「建築後の生産力」が書かれており、それらを検討しながらドラフトを行います。ドラフトなので、自分が取りたいカードが相手に取られてしまう可能性もあるし、逆に取られたくないカードをとるという駆け引きがあります。

ドラフトが終わったら、獲得したカードを建設するか資源として使用するかの2つに分けます。このゲームには、白・黒・緑・黄・青、5色の資源があり、資源として使用することを選ぶと、カードに描かれている色の資源を得て、建設するカード上に置くことができます。カードの枠すべてに資源が置かれると建築物は完成し、勝利点が手に入るのです。
建築物には勝利点に加え、建築することで資源の生産力が高まるというボーナスもあります。建築を進めるにつれ、資源を得やすくなるという拡大再生産の構造がここにあります。

資源産出フェーズでは、白→黒→緑→黄→青の順に資源が産出されていくのですが、産出された資源をつかって完成させた建築物がもたらす生産力強化はそのラウンドからすぐに反映されます。多くの拡大再生産ゲームでは、生産力が高まるのは次のラウンドからということがありますが、このゲームではラウンド中にどんどん生産力が高まっていきます。それゆえ、建築物を完成させる順番が非常に重要で、コンボが決まったときの加速感がとても気持ちいいのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
改めてこうして並べてみると、拡大再生産のゲームに共通する面白さは、先を見越して計画をたて、いかに効率的にそこに辿り着くかを突き詰めていくことだと感じました。日々の仕事や生活でも効率をあげることが好きな人にはぴったりなゲームシステムかもしれません。
ゲームのように、人生でも資源にモノを言わせて拡大再生産していきたいなあと思いつつ、今日も自分を働かせます。
それでは!